妊娠が待ち遠しい時期は、ちょっとの体調変化も「妊娠症状かも?」と気になるものです。腹痛、体温、おりもの変化など生理前症状と妊娠初期症状は似ていることから、その細かな違いを知りたいという女性にぜひ読んでいただきたい内容です。
妊娠初期症状と生理前症状の違いとは?
女性は妊娠した時や生理前などには、いつもとは違う体の変化を感じます。この時の症状は非常に似ているのですが、具体的に妊娠初期症状にはどのようなものがあるのかを紹介します。
基礎体温が高い日が続く
妊娠するとホルモンの影響によって体温が上昇します。いわゆる高温期と呼ばれるものなのですが、微熱状態が3週間以上続くのが一般的です。
乳房の張り
少し揺れるだけでも痛いほどの乳房の張りを感じたり、乳首が敏感になってチクチクとした痛みを感じたりすることもあります。中にはブラジャーが擦れるだけでも痛いという人もいます。
眠気が強くなった
日中でも頻繁に眠気を感じるようになります。夜にしっかり寝ているはずなのに、全然眠気がおさまらないという場合には妊娠している可能性があります。
体のだるさや疲れやすさを感じる
妊娠すると、受精卵は子宮内で急激に成長します。その際にたくさんのエネルギーを必要とするため、特に疲れるようなことをした自覚がなくても体がだるいと感じたり、疲労感を感じたりすることがあります。
情緒不安定になる
ホルモンバランスが乱れることによって、精神的に不安定になりやすいという特徴があります。すぐにイライラしてしまったり、何かあったわけでもないのに突然泣き出したりするなどの不安定さが見られます。
吐き気や胃のむかつき
これはいわゆるつわりの症状です。妊娠初期からスタートする人も多いので、この不快感に悩まされたことがきっかけで妊娠に気付く女性もたくさんいます。
貧血
妊娠すると、女性の体は赤ちゃんを成長させるためにたくさんの血液が必要となります。そのため貧血が起こりやすくなります。
少量の出血
妊娠したことによって起こる出血は「着床出血」と呼ばれます。生理の時とは少し違い、ほんのわずかな出血が1日あるいは数日見られるというものです。元々生理時に出血量が少ないという人は判別が難しいかもしれません。
トイレの回数が増える
赤ちゃんを育てるために、女性の体はどんどん変化していきます。まだお腹が大きくなっていない段階でも子宮は着実に大きくなっていきます。そのため膀胱が圧迫され、トイレが近くなったり便秘になったりします。
おりものが水っぽくなる
これは妊娠したことで膣内に細菌が侵入しないようにするためです。普段よりも量が多かったり、水っぽかったりしたら妊娠の可能性があります。
生理前症状(PMS)の特徴
生理前症状はPMSとも呼ばれますが、これは生理前の体に起こる症状の総称です。例えば普段よりもイライラしやすくなったり、お腹や腰が痛くなったりするなどの症状が挙げられます。
様々な症状が見られる中でも、PMSの特徴として挙げられるのは身体的な症状よりも精神的な症状の方が多いということです。人によって個人差はありますが、大体生理前くらいから不調を感じ始め、生理が始まってから急に症状がおさまることがほとんどです。
症状の内容としては妊娠初期と非常に似ているのですが、これは作用するホルモンが同じだということが原因として考えられます。
しかし、全く同じというわけではありません。普段よりも症状が重かったり、体のだるさが長期間とれなかったりするような状態であれば、生理前症状ではなく妊娠によるものだという可能性が高まります。また出血の量も普段よりも極端に少なかったら、それは生理による出血ではない可能性があるので、しっかりチェックしておきましょう。
体温の違いで妊娠か生理周期か見分ける
妊娠初期と生理前の症状は非常に似ているのですが、見分ける方法もあります。それは基礎体温です。
女性は生理や排卵、妊娠など体に起こる変化によって体温が変化します。一般的に生理前というのは基礎体温が下がっていますし、妊娠初期は基礎体温が高い状態が続きます。波のように基礎体温が変化するのが普通なのに、もし高温期が3週間以上続いているという場合には妊娠した可能性が高いと言えます。
妊娠週数の数え方
妊娠したら週数によって成長具合を見ていきます。週数を数え始めるのは、性行為をした日や妊娠が分かった日などではありません。最後に生理がきた日から数え始めるので、生理の初日から7日間が妊娠0週ということになります。
また0日~6日を1週とするので、1日~7日を1週間とするカレンダーの見方とは少し異なると覚えておきましょう。
妊娠検査薬で反応がある時期
妊娠検査薬は市販されているので、気になる人は自宅で簡単に調べることができます。しかし時期を間違えると正しい検査結果が出ないので、最適な時期を理解しておくことが大切です。
まず妊娠検査薬は、生理開始予定日から1週間経てば妊娠の可能性を調べることができます。しかし、生理周期が安定していない人からすれば、いつ頃が予定日となるかも予測できません。そういった時には性行為から3週間後くらいに一度試してみると良いでしょう。
市販の妊娠検査薬では陰性と出た場合でも、100%妊娠していないというわけではありません。これはhCGという妊娠したときに分泌されるホルモンの量で結果を出しているので、人によっては正しい時期に検査しても上手く結果が出ないことがあるのです。そのため、中には陰性だったけれど、妊娠3週目に突入した頃に初めて陽性反応が出るという人もいます。
妊娠3週目でつわりの症状を感じることも
つわりは一般的には妊娠5~6週目頃に始まります。そして、8週頃にピークを迎え、妊娠中期に入る手前には症状が落ち着いていくという人がほとんどです。しかし、つわりに関しても個人差があるので、必ずそうなるとは限りません。
中には妊娠3週という早い段階でつわりに悩まされる人もたくさんいるので、これがきっかけで妊娠に気付いたという人もいるでしょう。
異常を感じたら気をつけること
生理がなかなか来ない、あるいは生理前のような症状はあるけれど出血がないという時には、すでにお腹の中に新しい命が宿っている可能性があります。そういった場合に気を付けたいことをいくつか紹介します。
飲酒やタバコ
妊婦さんがお酒を飲むと、その血液中にほぼ同じ濃度のアルコールが流れることになります。それが赤ちゃんまで届いてしまうと、お腹の中の赤ちゃんが酔っぱらってしまいます。生まれた赤ちゃんは胎児性アルコール症候群を発症する危険性があるので、妊娠の可能性が少しでもあれば禁酒しましょう。
そして、タバコですが、これは百害あって一利なしです。吸っている人はすぐに禁煙し、身近で吸っている人がいれば違う場所で吸うなどの協力を仰ぎましょう。
放射線検査
放射線検査はお腹の中の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。しかし歯科検診などで受けるレントゲンは、赤ちゃんに悪影響を及ぼすほどの放射線量はないので、過剰に心配する必要はありません。
事前に医師には妊娠の可能性があることを伝え、レントゲンを撮る必要があるときは、念のため防護エプロンを着用すれば安心です。
麻酔
歯の治療時などに使用される麻酔は体に大きな影響を与えるほどではないので、妊娠中だからと言って心配する必要はありません。しかし、それ以外に全身麻酔など強いものを使う時には、必ず医師に相談しましょう。
薬の服用
市販の薬は赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。妊娠中に頭痛があったり、腹痛を感じたりするとつい薬に頼ってしまうという人もいますが、独断で市販の薬を飲むのは危険です。
妊娠の可能性がある状態で体に不調があれば、必ず病院を受診して妊婦さんが飲んでも大丈夫な薬を処方してもらいましょう。
妊娠してるかどうか確実には、病院で判断
妊娠初期はとてもデリケートな時期です。安定期に入るまでは流産のリスクも高いですし、つわりが始まれば母体にとっても非常に辛い時期となります。また妊娠したのかしていないのかを過剰に心配すると、それがストレスとなって体に負担をかける結果となってしまうこともあります。
いつもの生理前症状よりも辛いと感じたときや、性行為をした後で妊娠の可能性がある時には病院で診てもらいましょう。病院であれば、問診だけではなく、内診や尿検査などによってはっきりとした結果を出してもらうことができます。