妊娠が発覚すると嬉しいものですが、それと同時に不安もいっぱい。妊娠初期は腹痛なども感じやすく、つい「なにか異常が起きているのかも!?」と心配になってしまいますよね。妊娠初期の腹痛=異常ではありませんので安心して大丈夫ですよ。今回は妊娠初期の腹痛について詳しく紹介します!
妊娠初期の腹痛はなぜ起こるの?
妊娠をすると妊娠初期症状を感じることが多くなりますが、そのひとつに腹痛があります。妊娠が発覚してすぐの時期に腹痛を感じると「流産かも!?」とママはつい不安に感じてしまうでしょう。妊娠初期の腹痛はなぜ起こるのでしょうか?原因についてみていきましょう。
子宮が大きくなる
妊娠をすると子宮の血液量が増え、赤ちゃんの成長に伴って子宮の筋肉が引き伸ばされます。この時、子宮の周りのじん帯なども引っ張られるため、腹痛が起こることがあるのです。子宮が大きくなることによって感じる腹痛は鈍痛であることが多く、お腹の張りは伴いません。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠によるホルモンバランスの乱れが便秘を引き起こし、その結果腹痛を引き起こすこともあります。
妊娠をするとプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が盛んになりますが、このプロゲステロンには腸のぜん動運動を低下させる作用があります。さらに、プロゲステロンには体内に水分を溜め込もうとするはたらきもあるため、便の水分が減り、便秘となってしまうのです。
妊娠初期は特にホルモンバランスが乱れやすく、便秘にもなりがちに。便秘による腹痛も妊娠初期にはよく見られる症状です。
妊娠初期に起こる腹痛の特徴
妊娠初期に起こる腹痛には原因がいくつかありますが、原因によって腹痛の感じ方が異なると言われています。では具体的にどのような痛みが起こりやすいのでしょうか?妊娠初期に起こる腹痛の痛みの特徴について分かりやすくご紹介します。
生理痛と同じような痛み
下腹部にギューと締め付けられる生理痛のような痛みを感じることがあります。お腹の赤ちゃんの成長に合わせて子宮は大きくなりますが、子宮が引き伸ばされた際、子宮は反射的に縮もうとします。この時に感じる痛みが生理痛に似た痛みだとされているのです。
下腹部がチクチクする
妊娠によるホルモンバランスの乱れの影響で下腹部にチクチクと針で刺されたような痛みを感じることも。子宮が大きくなると子宮の周りのじん帯などが引っ張られ、チクチクとした痛みを感じると言われています。このチクチクとした痛みは下腹部だけではなく、足の付け根に感じることもあります。
下腹部や足の付け根のチクチクとした痛みは、多くの妊婦さんが感じているようです。個人差はありますが「自分だけかもしれない」と不安になる必要はありませんので、安心して大丈夫ですよ(^^)
お腹が張るような痛み
子宮が大きくなる際に、お腹が張るような痛みを伴う場合があります。ガスが溜まっている時をイメージすると分かりやすいでしょう。また、プロゲステロンのはたらきによって引き起こされた便秘が原因で実際にお腹が張っていることも。
お腹が張っている”ような”感じであったり、実際に便秘である場合は問題のないことがほとんどです。しかし、便秘ではなく、実際にお腹が張って痛いという場合は、子宮になにかしらのトラブルが起きている可能性もあります。
注意が必要な腹痛については記事後半で紹介しますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
妊娠初期の腹痛はいつからいつまであるの?
妊娠初期に感じる腹痛は動けなくなるほどの痛みではありませんが、どうしても気になってしまいますよね(><)妊娠初期の腹痛は一般的に妊娠4ヶ月頃には収まる人が多いとされています。ただし個人差がありますので、長く続くからといってかならず異常であるというわけではありません。
妊娠4ヶ月まではやや長く感じるかもしれませんが、症状に注意しながら無理せず過ごしましょう。
妊娠初期の腹痛の対処法
妊娠初期の腹痛は問題のない場合がほとんどとはいえ、腹部に違和感を感じたまま過ごすのはつらいですよね(><)妊娠初期に腹痛が起きた場合の対処法をご紹介します。少しでも楽に乗り切れるよう、自分に合った対処法を探してみてくださいね。
体を温める
身体が冷えると血行が悪くなり、腰や下腹部の筋肉も硬くなります。その結果、腹痛を引き起こしやすくなってしまうため、腹痛を感じたらまずは身体をあたためてみましょう。
湯船にゆっくり浸かるのも良いですし、靴下を履くなど身体を冷やさないよう気を付けてくださいね。つわりがひどい人はカフェインレスの紅茶に生姜を入れて飲むのも良いでしょう。生姜にはつわりを和らげる効果があるんですよ(^^)身体もあたたまるのでおすすめです♪
安静にする
腹痛を感じたらまずは身体を安静にしましょう。横になったり座ったり、自分が一番楽な体勢をとり、ゆっくり過ごしてみてくださいね。安静にしていても腹痛が30分以上続く場合や、いつもの腹痛と違う感覚を感じた場合は医師に相談しましょう。
ストレスをためないようにする
ストレスを感じると身体は緊張状態になり腹痛を引き起こしやすくなります。妊娠中はさまざまな変化があり、なかなか気持ちが落ち着かない人も多いでしょう。プロゲステロンの作用でいつもよりイライラする妊婦さんも少なくありません。
ストレスが溜まっていると感じたら、趣味に没頭してみたり音楽を聴いてみたり、自分に合った方法でストレスを発散しましょう!不安に思うことがあれば、友達や先輩ママに話してみるのもおすすめですよ(^^)♪
要注意!腹痛の特徴
妊娠初期に腹痛を感じる人は少なくありません。その腹痛のほとんどは問題がないものとされていますが、中には注意が必要な腹痛もあります。どのような腹痛を感じたら注意が必要なのでしょうか?トラブルの可能性がある腹痛の特徴についてご紹介します。
鈍痛が継続する
鈍痛が継続している場合、子宮になんらかのトラブルが起きている可能性も考えられます。基本的に妊娠初期の腹痛は生理痛のような痛みであるとされています。動けないほどの痛みが続く場合や、冷や汗をかくほどの痛みが継続するようであれば病院に連絡しましょう。
出血を多く伴う腹痛
妊娠初期では着床出血という微量の出血が見られる場合がありますが、これは問題のない出血です。しかし、腹痛と同時に生理時の出血量より多い出血が見られた場合は、子宮でトラブルが起きている可能性があり、早急な処置が必要な場合もあります。
多量の出血を伴う腹痛を感じたら自己判断で様子を見るのではなく、すぐにかかりつけの病院に連絡をし、医師の指示に従うようにしてくださいね。
安静にしても継続する
基妊娠初期に感じる腹痛は30分程度安静にしていれば収まるものがほとんどです。安静にしているにも関わらず、1時間以上腹痛が継続する場合は要注意。子宮でトラブルが起きていることも考えられますので、我慢せず病院に連絡をしてみましょう。
要注意クラスの腹痛が起きたときにするべきこと
注意の必要な腹痛を感じたら、思わず焦ってしまいますよね(><)トラブルの可能性がある腹痛が起きたら、まずはどのように対処すれば良いのかご紹介します。いざというときに焦らないよう、あらかじめ頭に入れておくと良いですね。
安静にした後出来るだけ早く病院を受診する
腹痛が起きたらまずは安静にします。安静にしても収まらない場合や、動けないほど激しい腹痛の場合はできるだけ早く病院を受診してくださいね。子宮でトラブルが起きていた場合、原因によっては早急な処置が必要となります。
動けないほど激しい腹痛の場合は、無理に身体を動かさないようしてください。ある程度腹痛が収まってからの受診で良いのか、救急車を呼ぶべきか、まずはかかりつけの医師に電話をして判断を仰ぎましょう。
いつからどのような状況なのか説明が出来るようにする
妊娠初期の腹痛で病院を受診する際、医師に腹痛の状態を具体的に伝えるのが大切です。
- いつから痛みが起こっているのか
- どのような痛みなのか(チクチクした痛み・生理痛のような痛みなど)
- 継続的な痛みなのか(継続した時間の長さや回数)
- 出血の有無お腹の張りの有無
上記のポイントをメモに残し、病院に持参すると良いでしょう。腹痛と同時に出血が見られた場合は、出血の状態についても医師に具体的に説明ができるようにしておくと良いですね。血液の色や量などは診断をする上で重要な情報となりますよ。
下腹部の痛みで考えられる病気
下腹部に痛みを感じた場合、子宮でのトラブル以外にも考えられる病気があります。自覚症状として下腹部の痛みを感じやすい病気についてご紹介します。
子宮外妊娠
受精卵が子宮内膜以外の場所に着床している状態のことを子宮外妊娠(異所性妊娠)といいます。子宮内膜以外で胎児が成長することが不可能であるため、子宮外妊娠の場合は残念ながら妊娠の継続をすることができません。
症状には個人差がありますが、激しい腹痛と出血が見られるのが主な特徴です。着床部位の組織が破裂してしまった場合、大量出血となり、母子ともに危険な状態になる場合もあります。
子宮外妊娠は早急な処置が必要とされますので、激しい痛みや多量の出血が見られた場合はすぐに病院に連絡をするようにしましょう。
子宮筋腫
子宮に見られる良性の腫瘍を子宮筋腫といい、主に35歳以上の女性によく見られると言われています。妊娠中に子宮筋腫が見つかった場合、経過観察となることがほとんどですが、腫瘍の大きさによっては下腹部に痛みを感じることも。
子宮筋腫によって流産や早産、前置胎盤などのリスクが高まることもありますが、基本的に分娩は可能とされています。妊娠中に子宮筋腫と診断されたら医師の指示に従い、少しでも体調の変化を感じたらすぐに相談をするようにしましょう。
卵巣腫瘍茎捻転
卵巣には他の臓器よりも腫瘍ができやすいという特徴があり、その腫瘍がねじれている状態が卵巣腫瘍茎捻転です。腫瘍にねじれが生じると激しい下腹部痛や吐き気をもよおす場合があるとされています。
通常、卵巣腫瘍茎捻転が見つかった場合は腫瘍を卵巣ごと切除しますが、卵巣の状態によっては腫瘍部分のみ切除することが可能な場合もあります。
急性虫垂炎
急性虫垂炎の場合は、右下腹部に痛みが出ることが多いとされています。右下腹部に持続的な鈍痛を感じる時は、急性虫垂炎である可能性も考えられるでしょう。
妊娠中に急性虫垂炎になった場合、流産や早産のリスクが高まる恐れがあります。妊娠中の急性虫垂炎は分かりにくいとされていますので、できるだけ早期発見ができるよう、少しでも体調の変化を感じたらすぐに医師に相談することが大切です。
尿管結石
尿中の成分が結晶化したものを結石と呼びますが、結石が尿管に詰まると神経などを刺激し、激痛を発症します。場合によっては血尿が見られることも。
妊娠中は体内のシュウ酸濃度が高くなるため、結石もできやすくなっています。尿管結石の痛みは出産よりも痛いという意見も……。まず予防としてバランスのよい食事やこまめな水分補給を心がけ、万が一痛みを感じた場合はすぐに病院へ行きましょう。
腸閉塞
便やガスが腸に留まって排泄できなくなった状態を腸閉塞と呼びます。妊娠中の発症はさほど多くないとされていますが、妊娠中であることによって治療や発見が遅れるとママの命に関わる場合もあります。
腸閉塞の痛みは、強い痛みと弱い痛みが交互に繰り返す場合や、強い痛みが継続的に起こる場合などその状態によってさまざまです。また、上腹部に痛みを感じる場合や腹部全体が痛む場合など、痛みの部位もさまざまだと言われています。
発見が遅れることのないよう、普段とは違った腹部の痛みや吐き気を感じたら、自己判断はせず念のため受診することをおすすめします。
妊娠初期に腹痛を感じたらまずは安静にしよう!
妊娠初期での腹痛は子宮の伸びやホルモンバランスの崩れが原因である場合が多く、腹痛を感じる妊婦さんは決して少なくありません。腹痛を感じたらまずは安静にすることが大切。「これくらいなら……」と我慢するようなことはせず、身体を温めてゆっくり休むようにしてくださいね。
激しい痛みや多量の出血を伴う腹痛の場合は、すぐに医師の判断を仰ぐようにしましょう。
トラブルによる腹痛であった場合でも、症状や処置によっては妊娠の継続が可能であることもあります。普段の様子と少しでも違う症状を感じたときは、遠慮をせず医師に相談することが大切ですよ(^^)