つわり

妊娠悪阻には治療が必要。つわりが始まったら知っておきたいこと

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妊娠すると多くの人が経験するつわり。つわりの症状の出方には個人差がありますが、重篤な症状が出た場合には「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されることも。ママや赤ちゃんの安全のためにも、妊娠悪阻は素早く対処・治療することが大切です!

では妊娠悪阻とはいったいどんな状態なのでしょうか?治療方法や入院した場合の費用、保険について確認していきましょう♡

つわりと妊娠悪阻の違い

「つわり」は妊娠初期に多くのママが経験します。症状の種類や重さには個人差がありますが、なかには食事もまともにとれないほど嘔吐を繰り返すという人も…。

このようにつわりが重症化し、ママや赤ちゃんに深刻な影響を与えかねない状態になると、医師から「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と診断されることがあります。

つわりと妊娠悪阻にはどんな違いがあるんでしょうか?症状や診断基準、治療方法について見ていきましょう!

妊娠悪阻は治療が必要な「疾患」

「しばらく横になっていると症状がおさまる」「つらいけれどなんとか飲んだり食べたりできている」といったような生活を送れている場合は、つわりの範囲内といえるでしょう。

「妊娠悪阻」と診断される症状

  • 嘔吐の症状が重い
  • 尿の量や回数が減る
  • 体重が急激に減少する

重いつわりと妊娠悪阻との間には明確な区切りはありません。でも、妊娠悪阻は健康的な妊娠の継続、母体の健康維持、日常生活に支障をきたす症状であり治療が必要な「疾患」です。

何か異常を感じたらすぐに医師に相談することを忘れないようにしてくださいね★

では妊娠悪阻ではどのような症状が見られるのでしょうか。重症度の大きさ別にチェックしていきましょう!

ステージ1(嘔吐)

「常に吐き気を感じる」「実際に吐いてしまうこともある」といった症状は吐きつわりによく見られる症状です。

でも、「1日中嘔吐で休まる暇もない」といった重い症状がある場合は妊娠悪阻の第一段階かもしれません。嘔吐がおさまる時間がほとんどない場合も多く、食事がとれないことも少なくありません。

食事がとれなければ栄養不足になることもありますし、嘔吐によって体内の水分が失われれば脱水症状を引き起こすおそれもあります。

飲食がまともにできない場合は必ず医師に相談しましょう。入院による治療を行うこともありますが、医師の判断によっては通院での治療も可能です。「つわりだからつらいのは当たり前」と思わず、早めに治療を受けるようにしましょう。

ステージ2(代謝異常)

通常は、食事から摂取した栄養素を体を動かすエネルギー源として使います。でも、ひどい嘔吐で食事をとれない場合、体を動かすエネルギー源を食べ物から得ることができません。

すると、人間の体は体内に蓄積していた脂肪を分解してエネルギー源を作り出します。体内の脂肪というとムダなものと思われがち。でも、体の機能を正常な状態に維持するために必要なホルモンを作り出す材料となったり体温を一定に保ったりととても重要な役割を果たしています。

このような重要な働きをする脂肪を消費してエネルギー源を確保するという代謝異常が起こっている状態は「飢餓状態」に陥っているといえるでしょう。

ステージ2ではステージ1の嘔吐の症状に加え、以下の症状が見られることが特徴です。

  • 低体温や高熱といった体温の異常
  • 心拍数の増加、血圧の低下などといった異常

また、体内の脂肪を代謝したことによって尿中に「ケトン体」という物質も検出されるようになります。医師の判断にもよりますが、入院での治療が必要になることもあるので十分に気を付けましょう。

ステージ3(脳神経症状)

ステージ2の状態がさらに悪化すると、めまいや幻聴・幻覚といった脳神経にかかわる異常が見られ始めます。重度の場合は記憶障害や昏睡状態になるケースもあり、ママも赤ちゃんも危険な状態といえるでしょう。

入院による治療がメインとなりますが、症状がかなり深刻な場合にはママの体を守るために残念ながら人工妊娠中絶という判断を下さざるをえないこともあります。

妊娠悪阻の症状

妊娠悪阻が重症化するとママの体や赤ちゃんの命にも影響を及ぼす事態になることもあります。できればステージ1までの段階で適切な治療を受け、それ以上の悪化を防ぎたいですよね。

「つわりはつらいもの」という固定観念から、妊娠悪阻の症状が出ているにもかかわらず我慢してしまう人も少なくありません。でも、妊娠悪阻と思われる症状が出ている場合は医師の診察を受けることをおすすめします★

【妊娠悪阻の可能性が高い症状】

  • 食事や飲み物をまったく受け付けない

吐き気や嘔吐で飲食がまったくできない状態が続いている場合、栄養不足や脱水状態に陥っているおそれがあります。

  • 空腹・満腹を問わず嘔吐を繰り返す

1日中嘔吐を繰り返していると、体力の消耗が激しい上に体の水分も失われていきます。胃液や胆汁、血液が混じってる場合は特に要注意です。

  • 体重が5%以上減少した

自分の体重の5%以上が短期間で減少した場合は、食事から十分に栄養がとれていないことが考えられます。めまいやふらつきといった症状も出ることがあるので注意しましょう。

  • 尿の量や回数が減少した

尿の量や回数が減ったということは、水分がしっかり補給できていないことが原因と考えられます。気付かないうちに脱水症状に陥っているおそれもあるので要注意!

以上の症状のうち、1つでも心当たりがあれば妊娠悪阻かもしれません。医師に相談した上で治療を受けるようにしてくださいね♡

つわりと妊娠悪阻の見分け方。医師の判断基準は?

「妊娠悪阻かも?」と思ったときに医師に相談する目安を紹介しましたが、医師はどうやってつわりと妊娠悪阻を見分けているのか気になりますよね★

医師が妊娠悪阻と診断するポイントを4つ紹介します。

食事をとることが不可能である

口から栄養をまったくとれない状態であれば妊娠悪阻と診断されます。水分もとれず脱水状態に陥っていれば、肌や唇の乾燥や頻脈、顔色の悪化などの症状も現れます。

妊娠前から5%以上体重が減っている

妊娠中の急激な体重減少によって子宮内発育不全のリスクが高くなるという報告もありますが、一般的な治療で症状がおさまれば赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。

尿中にケトン体が検出される

尿中ケトン体は栄養状態を評価するのに最も参考になる指標として用いられています。尿中ケトン体が陽性になった場合も妊娠悪阻と診断され、「2+」以上の強い陽性が出た場合は入院での治療が必要になります。

血液検査の数値で異常が見られる

水分不足によって血液の濃度が高くなるとヘマトクリット値が増加します。また肝機能や腎機能の状態を表す項目でも異常が見られ、甲状腺機能やヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が高い値を示すなどといった特徴が現れます。

治療方法は?

妊娠悪阻の初期段階で少しだけなら飲食可能という場合は食事療法で対処することもあります。

自分が食べられるものや消化のよいものを1日3回以上に分けて摂取するのが基本です。食事が難しい場合は水分と栄養をとれるスープやジュースなどで対応します。

妊娠悪阻のステージ1やステージ2の段階では飲食ができないので、入院して点滴やビタミン剤の投与を受けることが主な治療方法となります。1日あたり2リットル~3リットルの点滴を受けることになるでしょう。

妊娠悪阻で入院。費用は?保険は適用される?

妊婦健診や自然分娩など妊娠中の医療ケアに関する費用の多くは100%自己負担になります。妊婦健診の補助券や出産育児一時金などさまざまなサポートがありますが、妊娠は病気ではないという考え方から基本的には健康保険が適用されません。

妊娠悪阻で入院した場合はどうなるのでしょうか。「健康保険や民間の保険は使える?」「入院費はどのくらいかかる?」といった疑問にお答えします♡

妊娠悪阻は「病気」なので健康保険が適用

「吐き気がある」「お腹が空くと気持ち悪い」といった一般的なつわりの症状はママにとってはつらい症状ですが、病気としては判断されません。そのためなんとか日常生活を送れている場合のつわりに関しては健康保険の適用外になります。

でも、ママの健康や赤ちゃんの命にかかわる妊娠悪阻は治療が必要な疾患にあたります。医師に妊娠悪阻と診断され通院や入院による治療を受けるとなれば、その治療にかかる費用は健康保険が適用されますよ。

健康保険が適用されると3割ほどの負担ですみますが、入院となると1日数万円かかるなど保険適用内の治療でも意外と費用がかかってしまうこともあります。

そんなときには事前に病院に確認するとともに高額療養費制度を活用することを考えましょう!

※高額療養費制度とは…1か月の医療費が月の上限額を超えたときに上限額以上の支払いが免除される制度のことです。(上限額は所得によって異なる)

また、妊娠悪阻で入院となると保険会社によっては民間の保険も利用できる場合があります。詳しくは自分が入っている保険の内容を確認してみてくださいね♡

 妊娠悪阻が原因の中絶や流産、死亡例はある?

妊娠悪阻の症状は通院や入院での治療を続ければ多くの場合は回復に向かいます。でも、妊娠悪阻が原因で人工妊娠中絶という選択をとらざるをえないケースやママが命を落とすという事例も極めてまれに存在します。

これから紹介するケースはあくまでも妊娠悪阻が重症化した場合に考えられることです。過度にこわがる必要はありませんが、少しでもリスクを減らせるよう小さな心配事でも早い段階で受診して医師に相談するようにしてくださいね♡

人工中絶

妊娠悪阻のステージ1(嘔吐)やステージ2(代謝異常)の段階において適切な治療をしても症状が改善されず、ステージ3(脳神経症状)が見られるようなケースでは、医師がママの命を守る最終手段として人工中絶を選択することもあります。

ただし、これは妊娠悪阻の症状によってママの体が危険であると判断された場合に限ります。妊娠悪阻の早い段階で点滴やビタミン剤の投与といった治療を受ければ、多くの場合人工中絶に至るほどの症状の悪化は起こりません。

「これくらいのつわりはしょうがない」と思いこまず、妊娠悪阻の症状がひどくなる前に受診することが大切ですよ★

死亡例

妊娠悪阻の重篤な合併症として、ビタミンB1が不足することが原因で起こる「ウェルニッケ脳症」とよばれるものがあります。

【ウェルニッケ脳症の特徴的な症状】

  • 意識障害
  • 眼球運動障害:目がまったく動かない 細かく目が震える(眼振)
  • 小脳失調:体がふらつく 手足を自由に動かせない

妊娠悪阻が原因でウェルニッケ脳症を発症している場合、人工中絶を行ったり大量のビタミンB1を投与したりするとママの命は助かることが多いようです。

でも、命が助かっても約8割の人に記憶障害などが見られる健忘症候群(コルサコフ症候群)が現れるなど後遺症が残ってしまうといわれています。重度の場合は認知機能全体が低下し認知症と診断されることもあります。

過去には妊娠悪阻が原因で発症したウェルニッケ脳症によってママが亡くなってしまったという事例もあります。最悪のケースを防ぐためにも妊娠悪阻を悪化させないことが大切ですね(´ー`*)

赤ちゃんへの影響

妊娠悪阻を発症する時期はつわりの時期とほぼ同じ妊娠初期です。赤ちゃんもまだ小さく、それほどたくさんの栄養を必要としている時期ではありません。

なので、食事があまりとれていなくてもそれほど心配しなくても大丈夫です♡栄養が偏っていても食べられるものや飲めるものなど、口にできるものをできるだけとりましょう★

妊娠悪阻の症状によっては、ママの体が危険な状態になるレベルだと赤ちゃんも低体重になってしまうおそれがあります。ママだけでなく赤ちゃんにも影響が出てしまうリスクがあるので、つわりの症状で気になることがあれば早めに受診してくださいね★

つらいつわりの症状は妊娠悪阻かも!不安に感じたら早めの受診を心がけましょう

ほとんどの妊婦さんが体験するつわりですが、少数ながらも妊娠悪阻へと悪化してしまう人も。無理をすると赤ちゃんだけでなくママの体にも危険な状態となるおそれがあります。

「つわりはつらいもの」と思いこんで無理をせず、少しでも妊娠悪阻の疑いを感じたら早めに受診し医師に相談してくださいね♡家族にも妊娠悪阻について理解してもらい、症状がおさまるまではしっかりサポートしてもらいましょう!

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